更年期と動悸・息切れ
更年期障害として、代表的なホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、多汗)と同時に、心臓がバクバクして息が出来なくなる、死ぬのではないかと思うくらいに動悸息切れがして息苦しい! と訴える人が居ます。
そこまでの酷い症状の人はけっして多くはありませんが、更年期の時期に動機や息切れの症状がでる人も少なからず存在しています。
若い頃とは違って、少し激しく動いたりすると誰でも動機がしたり、息が上がったりはするものです。
階段を急いで駆け上がったりすれば、胸がドキドキして動機がなかなか止まらず、息も苦しくなってしまって当然でしょう。
加齢もありますし、日ごろの運動不足という側面も勿論あります。
心配や悩みごとがあれば心身のストレスとなりますし、疲れていたりしても、動機や息切れが強く現れたりもします。
更年期の時期は、さまざまなストレス要因も増える時期ですから、心と身体のトラブルとして動機や息切れも発生する機会が増えても仕方ないかもしれません。
運動したり階段を駆け上がったりしたわけでもないのに、突然おこる動悸や息切れが更年期症状の特徴です。
つまりじっとしていて、何もしていないのに(安静時に)、急に心臓がパクパクしたり、息が苦しくなったりするのです。
自律神経の失調で動悸・息切れ
女性ホルモンの急激な減少にともない、自律神経がコントロールを失います。
心臓や呼吸も自律神経のコントロール下にありますので、更年期のホルモン乱高下が、自律神経の乱高下と暴走につながります。
それにより、安静にしているのに心臓がドキドキと激しくなったり、呼吸が急にできない気がして口をパクパクさせてしまう状態になったりするのですね。
脈が乱れる(脈が速くなったり、遅くなったり)という不整脈も、発生したりします。
40-50代の妙齢女性が、真っ赤な顔で急に汗を流して、心臓を抑えて座り込んだり、金魚のように口をパクパクさせて苦しそうにしていると、本当にビックリして救急車を呼ぼうかと慌てたりするのですが、本人は「大丈夫だから」と言い張ったりします。
しばらくすると落ち着くようですが、初めて遭遇すれば周囲の方がパニックになるくらいに、苦しそうな場合もあったりします。
きっと救急車が到着する頃には、ケロリとしていたりすることもあるのでしょう。いや、過去にあったのかもしれませんね。
動悸・息切れにもレベルがありますので、そこまでひどいケースは多くは無いのですが、軽い不整脈や動悸を覚える人は少なくないようです。
呼吸のコントロールがうまくできなくなる状況は、本人も怖いでしょうし、本当に苦しいことでしょう。
息苦しさを感じて、酸素をたくさん取り込もうとパクパクしたりすると、今度は過呼吸にもなりかねません。
動悸や息切れの対処法
動悸や息切れを覚えたら、まずは落ち着いてゆっくりと深呼吸してください。
できれば、腹式呼吸をゆーっくりと・・・慌てないで、お腹の底から呼吸してみてください。
腹式呼吸は神経を沈め、リラックスさせる効果もあります。
口から息をゆっくりと吐いて、胸では無くお腹を凹ませます。息を吸う時は鼻からまっすぐお腹へ入れる感覚で吸ってみてくださいね。
イヤなことがあったり、緊張を強いられたりする場面でも、ゆっくりと腹式呼吸をすれば緊張が緩和されるはずです。
鼻から深く吸って、口からゆっくりと吐き出す・・・お腹を膨らませたり凹ませたりしてみましょう。
少しでもリラックスできれば、強いストレスや辛い気持ちも紛れてきますよ。
動悸や息切れは、更年期症状でなく他の病気が隠れている場合も多々あります。
貧血でも、動機・息切れ・めまいが出現しますし、女性に多いバセドウ病や甲状腺の病気もあり得ます。
心臓や肺に異常があるケースもありますし、急性アルコール中毒の場合もあったりしますので、要注意です。