更年期で肩こり、腰痛、背中の痛み
年中肩凝りに悩まされているという人は別にして、更年期の時期になって初めて肩凝りを感じたという人がいます。
「昔はなんと無かったのに年なのかなぁ!?」という感想を抱く人もいるでしょう。
でも、更年期障害の症状の中には、肩こりや腰痛、背中の痛みというのもあるのですよ。
それまでは全く肩凝りには無縁で、他人事のように感じていたのに、突然肩凝りしやすくなったという人も少なくありません。
中には四十肩のような激しい痛みで、洋服の袖に腕を通すのが辛いというような人もいます。
女性ホルモンであるエストロゲンの減少により、筋肉や関節などの血液循環が悪くなり、血流が滞ってしまい、酸素や栄養が筋肉に届きにくくなります。
結果として、筋肉を柔らかくしなやかに保てなくなり、硬くなり、稼働が悪くなってしまうのです。
更年期の症状の根本原因は卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量の低下でホルモンバランスが乱れることです。症状をそれぞれ改善するよりは、ホルモン補充療法(HRT)と言って、プレマリンなどホルモン剤でエストロゲンを補充することで様々な心身の不調を改善することが可能です。
更には、まさに加齢により筋力の衰えから、首や肩、腰周辺の重さや凝り、痛みが生じることで余計に辛さが増すのですね。
更年期特有の冷えも、血流を悪くし、筋肉を硬く、凝り固めてしまいます。
目の疲れや老眼などでの眼精疲労からの首や肩の凝りも、更年期年代の女性にとっては大きく悪影響を及ぼしてしまいます。
それこそ、二重にも三重にも、いえ何重にも、首こり・肩こり・背中の痛みなどの原因となる要素が重なり合ってしまうのです。
全てが凝り固まって、絡まり合った毛糸玉のように、肩の筋肉も硬く縮こまってしまうと、なかなかほぐれてはくれませんね。
少しでも楽に過ごしたいなら、軽いストレッチや適度な運動は欠かせません。
なるべく筋肉をほぐすように心がけて、ラジオ体操でも、簡単なヨガのポーズやストレッチで伸びてみたり、血行を良くするように心掛けてみてください。
冷え対策も重要ですから、肩を温めたり、入浴はシャワーだけでなく、しっかり湯船で温まってほぐしてみてください。
温めながら、軽く肩を動かしたりするも効果的です。
血流量を増やすために、日常的にカイロなどで温めるのも良いでしょう。
同じ姿勢を取り続けるのも肩や腰には負担になります。
デスクワークなどの際はこまめに休憩をとり、少し歩いてみたり、肩を回したり伸びたりしてくださいね。
パスコンやスマホなどを長時間見ているのも目が疲れますし、眼精疲労で凝りが悪化したり、頭痛が生じることもあります。
小さな文字が見えづらくなった、ぼやけたり滲んで見えると感じたら、眼科を受診してみるのも良いでしょう。
メガネを作ってみると格段に楽になり、世界が変わったり、コリも軽減されたりすることもあります。
冬場は特に気温が低くなるので、余計に身体も冷えやすく、筋肉の血流量が落ちて、肩凝りもひどくなりがちです。
今までのコートやジャケットなどが重く感じたりもするでしょう。
夏よりも冬に肩凝りを感じる人が増えるのは、寒さのせいだけでは無いのです。
コートやストールは厚手の重いウール素材よりは、できれば軽いダウンやカシミヤなどを選ぶのもひとつの方法でしょう。
女性ホルモンの変化による血流量の減りは、仕方ないことではありますが、少しでも楽に過ごせるように工夫したいものですね。
のぼせで妙に暑くなったりするのに、冷えもあって肩凝りもする、アッチコッチで矛盾する症状が発生するのが、更年期なのです。
「ホルモンのせいで脳が混乱している」と思って、随時対処していくのが無難かもしれません。
あまりに様々な症状で辛いときは、更年期外来を受診してトータルにホルモンのバランスを整えるという手もありますよ。