更年期と喉のつかえ、違和感
更年期の時期になると「喉のつかえ」や違和感を訴える女性が増えてきます。
喉のつかえ感とは、実際には食べ物が喉を通らないような嚥下障害は無いのに、つかえているような気がするという症状です。
食べ物が飲みこみにくいような感覚で、30代から50代の女性に多く、男性と比較すると2倍以上になります。
更年期時期に多い症状ですが、更年期だから起きると限ったわけではありません。
心身ストレスからの発生が多いとされており、自律神経のバランスが崩れることにより、違和感を覚えるのです。
ただし、ホルモンバランスの乱れから自律神経も乱れてくるケースもあるため、更年期障害の影響のひとつともされています。
喉のつかえ感・違和感(咽頭違和感) の症状例
- 喉がイガイガする
- 唾液が飲みこみにくい
- 喉に何か詰まっている感覚がある
食道は口から入った食べ物を、胃に送り込むため「ぜん動運動」をしています。
ぜん動運動のような、自らの意思とは関係なく自動的に身体のさまざま部位で働いている神経、働かせるためのコントロールをしてるのが自律神経です。
更年期にはホルモンバランスが乱れるために、自律神経にも影響し、コントロール機能がおかしくなってきます。
血管や血流のコントロールも、食道や胃のぜん動運動も、大腸のぜん動運動も、身体の様々な場所に影響するのです。
喉や食道の働きが、いつものようなスムーズな感覚でなく、つかえ感や違和感を覚えるのも、このためです。
更年期障害の症状を緩和する女性ホルモン剤はこちらからご確認ください>>
40代からは更年期で自律神経が失調
もちろん、年齢ともに嚥下(飲みこみ)がしずらくなってくるのもあります。
ただ、70代や80代という高齢では無い、40-50代での発症は自律神経のコントロール機能の混乱に由来するケースがほとんどです。
特に更年期世代の女性の場合は、心身のストレスを受けやすい出来事の多い時期でもありますね。
親の問題、家族のトラブル、自分自身の体調不良、さまざまなストレスや焦燥感、不安など心の疲れが引き金になってしまうのです。
特に、その年代の女性で心配性な人の場合は、ちょっとした体調不良を重大な病と思い込んでしまい、気に病んでしまって自律神経バランスを更に悪化させたりしがちです。
テレビで咽頭・喉頭の病気の特集を見て、自らが喉頭がんや食道がんだと思い込んだり、落ち込んでしまったりして、うつ症状を進行させたりもします。
神経質な人の場合は、家族のがんの既往歴などから「自分も・・・」と、勝手に信じ込んでしまう人も少なくないのです。
実際には更年期症状や精神的な問題のほかにも、慢性扁桃炎や咽頭炎、脳神経の疾患、甲状腺の問題、首の骨の頸椎変形、心臓病、ひどい肩凝りなどから、喉の違和感を感じてしまう場合もあるそうです。
キチンと検査をしてみることが重要ですね。
ストレスで喉のつかえや違和感が
ストレスは、男性の場合は胃腸にきやすくて、下痢につながるケースが多いのですが、女性の場合は甲状腺まわり、喉の方に現れると言われてします。
そういえば心身に負担を抱える男性の場合はトイレに通う回数が増えたという人が多いですね。
女性は、身体の症状として、まず喉の違和感を訴えたり、喉のつかえ(息苦しさも含め)自覚するというのも納得できます。
心神状態に関係するのもあって、これらの「喉のつかえ感」を「ヒステリー球」とも呼ぶこともあります(ヒステリー症状とは無関係)
喉のつかえ感は、身体も、心も、落ち着いてくれば・・・自然と気にならなくなり、症状は消えます。
心療内科等では、抗不安薬や自律神経調整役などの処方で改善されるのですが、漢方薬も使われますし、精神的な要因が強い場合は、心理療法なども良いかもしれません。
他の更年期症状もあるなら更年期対策としてトータルな治療をおすすめします。
更年期の症状はホルモン補充療法
更年期の場合は根本原因が卵巣機能の低下によるエストロゲン(卵胞ホルモン)の急減で、ホルモンバランスが急に崩れて自律神経が失調することです。
よって、喉のつかえや違和感も更年期の症状であれば根本のエストロゲン不足をホルモン補充療法で補うことで改善が期待できます。
多くの女性がしがちですが、アチコチの診療科で別々に処方して貰った薬を、大量に飲んだりしない方が良いでしょう。