更年期と性交痛の関係
更年期の時期には、女性ホルモンの低下によって膣粘膜が萎縮する傾向がみられ、性交痛を覚える女性が増えます。
40代オーバーでほぼ4-5割、50代になると6割ちかくの女性が、性交時の痛みを感じているのです。
パートナーや夫婦仲の問題にも発展してしまいがちで、密かな問題となっています。
閉経という、排卵しなくなる一大イベントに向けて、女性の身体は少しずつ変化をしていきます。
排卵しないということは、つまり妊娠しなくなるということであり、生物として子孫を残すための性交を必要としなくなる、身体は推奨しなくなるということです。
排卵期にはホルモンの影響によって、膣内の粘膜等が湿潤化する傾向にあり、性交や受精を促進しようという働きがあります。
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更年期のエストロゲン不足で潤い不足に
逆に閉経に向けての女性ホルモン(エストロゲン)の低下は、受精を困難にしていく傾向があるのです。
エストロゲン低下は、口腔内(口の中)粘膜や大腸内粘膜、膣内粘膜の潤い不足を引き起こします。
- 口腔内の粘膜の潤い不足で、口乾症状やドライマウスになりがちです。
- 大腸内の粘膜の潤い不足で、便秘になりがちです。
- 膣内の粘膜の潤い不足では、性交痛をおこしやすいです。
口腔内の唾液が、雑菌などを浄化する自浄作用を持つのと同様に、膣内粘液は膣に雑菌が侵入しないよう、感染・繁殖を予防する自浄作用があります。
つまり膣内の粘液が減ると、雑菌などに感染しやすくなってしまい、炎症(腫れ、湿疹、かぶれ)を起こしやすくなるのです。
更年期の潤い不足、膣炎、性交痛にはプレマリン膣クリームがあります。
そのために、炎症(膣炎)によっての痒みや痛み。性交痛なども生じやすくなります。
エストロゲンには、膣内粘膜の保湿効果や、膣内を柔軟な状態に保つ働きがあります。
更年期で、エストロゲンの分泌が減少してしまうと、膣内の潤い不足となり、乾燥しやすく、柔軟性も悪くなってしまうのです。
更に、膣粘膜も薄くなってしまうので、余計に傷つきやすくなり、痛みを伴うのですね。
膣炎、性交痛など更年期の症状はホルモン補充療法で改善できます
更年期のエストロゲン減少で膣萎縮や膣炎が
閉経には、まだまだ間の有るアラフォーあたりの女性でも、日常的なストレスにさらされていたり、食生活の乱れなどで、卵巣機能が落ちてしまうことがあります。
つまり、女性ホルモン(エストロゲン)が減ってしまい、膣内粘膜の潤い不足や、膣の萎縮が生じることもあるのです。
- エストロゲンの減少により、膣粘膜が薄くなると、膣炎を起こす場合もあります。
- 膣粘膜と同様に、尿道の粘膜も薄くなって細菌の侵入を防げなくなります。
- 結果として、細菌に感染し炎症をおこして、膀胱炎にもなりやすくなってしまうのです。
- 膣と尿道は隣接してますし、清潔保持を心がけることも大切ですね。
ホルモン補充療法にて、エストロゲンを補給すれば、性交痛の原因となる膣粘膜の潤い不足症状は改善されます。
口腔内や大腸、食道や尿道など、他の体内の粘膜の潤い不足も改善されるので、症状がひどい場合は婦人科や更年期外来の受診をお薦めします。