更年期のイライラ、不安、鬱鬱、無気力など
ホルモン補充療法の更年期障害のひとつとして、精神的な不調というのもあります。
わけもなくイライラしてしまったり、不安感に襲われたり、何もやる気にならない無気力感から、うつ症状に至るケースもあります。
何故だか妙にイライラして、今まで平気だったことが非常にイヤな事に思うようになったという人もいます。
料理中の鍋の蓋をキッチンに置くのが不潔に思えて、気軽に鍋蓋をおけなくなってしまったとか。
家族の室内のドアの開け方や音が気になるようになり、怒鳴りちらしてしまったり・・・
忙しい御主人の帰宅が意味も無く腹立たしく、誰も自分を理解してくれないと非常な孤独感に包まれてしまったり、突然のように涙が止まらなくなったりと、信じられないくらいに情緒不安定な状態になったり。
渦中に居る当時は、本当に自分でもなにがどうなっているのか分からず、混乱の中にいた。
後から思えば、八つ当たりのように子供たちを叱っていて、申し訳なかったと思う という女性もいました。
ある時から、憑き物が落ちたかのように、まったく気にならなくなったそうです。
一般的な閉経時期である50歳あたりの前後5-10年ということは、40代50代は年代的にも様々な人生のイベントがある時期です。
仕事での激務や責任の重さ、親の病気や介護、子供の進学や就職、結婚などの独立や巣立ちもありますね。
子育てがひと段落して「空の巣症候群」という喪失感を覚える女性も、ちょうど年代的には重なったりするのではないでしょうか。
更年期の疲労感や倦怠感から、活動できなくなった自分自身が情けなく思えて、どうなってまうのか? と不安になる人もいます。
自信喪失してしまったり、やる気が出ない無気力な状態におちいり、「更年期うつ」と呼ばれるような「うつ症状」を発症するケースも多いのです。
特に、根がまじめで、几帳面だったり、常に頑張ってきた女性の場合には、気分の落ち込みから脱することができず、自分を責めるという形で更に悪化させてしまうケースがあります。
神経質で融通が利かないとか、気真面目で頑固だったり、自分のあるべき姿の理想像が強すぎて、今の不調な自分を認められない人に多く見られます。
グルグルと自分の中で出口を見失ってしまい、もうダメだと「負の思考サイクル」に陥ってしまうのです。
更年期特有の疲労感から、今までのように趣味が楽しめなくなったり、外出が億劫になり、人に会うのが面倒になったりします。
オシャレしたりメイクする気も無くなって、余計に閉じこもってしまいがちになるというのも特徴です。
更年期症状のひとつである「冷え」も、身体の不調だけでなく、精神的な不調に影響を与えます。
「気鬱(きうつ)」と言って、なんとなく気分がすぐれない、パッとしない、うつうつとした気分が続き、ふさぎ込みやすい状態です。
漢方的には、生体エネルギー「気」が不足した状態として「気虚(きうつ)」を捉えています。
物理的に身体を温めるように努めてみるのも良いでしょう。
生姜やビタミンB系の食物をとるようにするのも効果的ですね。
専門医にて漢方薬を処方して貰ったり、カウンセリングを受けたり、他の更年期症状とあわせてホルモン補充療法を受けてみるのも良いでしょう。
気持ちが塞いでしまうと、自分だけでは本当に出口が見えなくなります。
辛い気持ちは、自分だけで抱え込んでしまってはいけません。
誰かに相談して、助けを求めてみてください。
きっと明かりが見えるはずですからね。