更年期障害とめまい
更年期症状としての「めまい」は、幾つかのタイプがあります。
ホットフラッシュなどの熱のぼせにより、頭痛やクラクラとめまいが生じるような、熱に由来する場合もあれば、その他のケースもあります。
複合的な症状と合わせて表れるので、更年期障害といえるかどうか微妙な場合もありますか、更年期と呼ばれる年代の女性に「めまい」を訴える人は多いのです。
ホルモンバランスの乱れから、自律神経がおかしくなるので、更年期症状としてめまいが生じても全く不思議ではありません。
血管や血流コントロールの乱れにより、血圧にも影響があるため「めまい」や「耳鳴り」になったりもします。
更年期障害とは卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急に減ってホルモンバランスが乱れ、自律神経が失調して様々な不快な症状が起きることで、ホルモン補充療法(HRT)と言ってホルモン剤の投与で改善します。
めまいの症状とは?
- 意識が遠くなったり、失ったりする「たちくらみ」
- フラフラと浮いているような、足元が怪しくバランス感覚が怪しくなる「浮動性」
- クラクラと目が回るような、空間が回転しているような感覚「回転性めまい」
「たちくらみ」は、貧血症状など血流が急激に脳から減った時、頭から血が下がった場合などに起きやすいものです。
自律神経のコントロールの問題と言えるでしょう。
浮動性めまいとは
- 雲の上を歩いているような、足元が不安定で、フワフワ浮いているような感覚
- 船に乗っているような足元からユラユラと揺れているような感覚
- 肩こりや首のこりなど、筋肉の緊張をともなうことも
長い間、繰り返し続く場合が多いのが特徴で、更年期のめまい症状としては一番多いタイブです。
回転性めまいとは
- 天井が回ってるような、室内や世界がグルグル動くような状態を感じる
- 1分程度でおさまりますが、吐き気を伴うことも多々ある
- 乗り物酔いのような感覚に近く、気分も悪くなり辛いもの
回転性めまいは、主に耳の三半規管(平衡感覚を司る器官)が原因で起こる症状です。
女性ホルモンの低下によりカルシウム不足となり、三半規管内の耳石がはがれやすなり、引き起こされるめまいです。
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更年期に関する2010年の厚生省の調査
「40代女性のうち、3人に1人はめまい症状を自覚している」とあります。
更年期の年代に特有の女性ホルモンの減少、疲労や過労、過度なストレス、睡眠不足などにより自律神経が乱れてしまうのです。
更年期のめまい症状に関しては、特別な治療法はなく、とりあえず安静にして、おさまるのを静かに待つのが良いでしょう。
ただ、コントロールを失いつつある自律神経を、少しでも整えることで、予防になることもありますよ。
入浴で自律神経のバランス調整
入浴で、自律神経バランスを整える方法もあります。
おすすめは「足湯」
- 42度程度の、少し熱めの湯をバケツに入れて、ひざ下くらいまで浸して温める
- 塩を入れたりして、じっくり20分くらい、足し湯をして冷めないように温める
- アロマオイルや、香りの良い入浴剤などで、リラグセーションするのも効果的
- 温めたり冷やしたりを交互に実施する「温冷水浴」も、自律神経を整えるのに役立つ
日常生活では、急に立ち上がったりせず、ゆっくり動くことを心がけたり、筋肉の緊張やコリをほぐしたり、血圧にも注意してください。
更年期外来とホルモン補充療法
更年期外来にて他の更年期症状と合わせて治療を受けるのも良いでしょう。
更年期外来ではプレマリンなどホルモン剤の投与でホルモンバランスを改善して更年期の根本原因を改善します。この治療法をホルモン補充療法(HRT)と呼びます。
めまいには、メニエール病、突発性難聴や脳血管のトラブルなどの場合もあります。
ひどい眩暈(めまい)や耳鳴りを感じたら、受診して検査をしてみることも大切です。