更年期障害のHRT(ホルモン補充療法)
更年期障害の治療としては、漢方薬やHRT(ホルモン補充療法)があります。
日本では、生理痛も、更年期障害も、妊娠と同様に自然な事であり病気では無いと言われたり、我慢するべきというような風潮が根強くあります。
欧米では40代後半から60代の女性の半数ちかくはHRT(ホルモン補充療法)を受けていますが、日本では数パーセントにとどまっています。
更年期とは、平均50歳あたりを閉経時期として、その前後10年くらいずつが一般的です。
つまり、通常は40-50代とされていますが、最近はプレ更年期として30代後半から更年期症状が出現する人もいます。
逆に、閉経時期が50代後半と遅い人もあり、60-70代あたりになっても更年期症状がおさまらないというケースもあるのです。
早くから更年期症状が出現して、遅くまで延々と20-30年続くというケースも、決してまれではないということなんですね。
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更年期は我慢する時代じゃありません
更年期障害や、その治療に関しては、家族や周囲の理解も必要です。
特に年配の女性たち(実母や姑)、つまり年代がかなり上の先輩たちの「病気ではない」「そのうちおさまる」「我慢しなさい」的な感覚に苦しんでいる女性も少なくありません。
更年期障害の症状は、人によって本当にさまざまですし、誰しもが訪れる時期ではありますが、辛さも人それぞれです。
体質や遺伝要素もあれば、家庭環境や仕事、家族のトラブルや理解、生活習慣なとにより、本当にひどい状態に陥ってしまうケースもあります。
辛さを理解して貰えない精神的な孤独感から「更年期うつ」という状態になり、本格的に心身を病んでしまう場合も少なくないのです。
HRTは女性の生活の質を高めます
HRT(ホルモン補充療法)は、閉経に伴って急激に減少していく女性ホルモン(エストロゲン)を補充して、減少レベルを穏やかに、ソフトランディングさせる治療法です。
更年期障害の原因は、「女性ホルモンの急激な減少」ですから、その急激な減り方の角度をなだらかに、徐々に減るように調整するというものです。
何でも急激に増えたり減ったりすれば、身体に負担になって当然ですよね。
ホルモンバランスが急激に崩れると、自律神経バランスも混乱しておかしくなり、自律神経失調の状態となり、さまざまな変調や苦痛が現れてしまいます。
その原因の女性ホルモン(エストロゲン)の量を薬剤によって調整して、辛い症状を緩和しましょうという積極的な治療法と言えますね。
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HRTの効果がある更年期の症状は?
HRT(ホルモン補充療法)で効果がすぐに実感できる症状としては、血管不調などのホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、多汗)や動悸、冷えなどです。
その後、1ヵ月程度で睡眠障害や精神的不安感、イライラなどの焦燥感や疲労感、口内や大腸・膣・尿道の粘膜の乾燥や萎縮や、骨密度低下なども改善されてきます。
副作用としては、生理のような不正出血がみられるケースがあり、一旦閉経した場合でも生理が復活したかのような状態も見られます。
女性ホルモンを補充するわけですから、終了した生理が戻ったような状態になっても不思議ではないのかもしれませんね。
HRT(ホルモン補充療法)には、錠剤を服用するタイプや、張り薬のパッチタイプ、ジェルなどの塗るタイプもあります。
更年期障害の症状や、閉経前か閉経後かなどにより、細かく個人に合わせた補充量の調整が必要になります。
服用の機関や頻度、複数を組み合わせたりと使用方法も色々で、喫煙や肥満、高血圧などの場合は、リスクが高いケースもあります。
ホルモン量の検査や副作用チェックなども含め、専門医に相談してみてください。